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漢方相談ご相談例
生理不順の悩み

[Q]生理不順の悩み
私は四十四歳の主婦です。今、生理不順で悩んでいます。 持病の高血圧があり、塩分も控えめにしていますが、冬は特に高いです。 漢方薬で治したいので、御教示いただけないでしょうか。

[A] 生理が遅れがちで、ひどいときは、二、三ヶ月もないという人もおります。 これらの症状の大きな原因の一つとして、貧血の傾向にある人や、 また、ダイエット中の「気血(きけつ)の不足」が考えられます。

漢方(中医学)的に考えれば、血は気の流れに乗り、全身をめぐっているということ。 そして、ある一定の周期をかけて、子宮に溜まった血が外に排出されるわけですが、それが生理です。 サラサラとした血が豊富にあり、気もなんの渋滞もなく、スムーズ全身を流れていってくれていれば、生理などなんの問題もないのです。 ところが、ストレスや貧血、老化による生理機能の低下などの悪影響のために、 生理の周期が狂い始めたり、生理痛、おりもの、出血などの症状がでてきます。 先程も申し上げましたように、一定の周期が来ても、血が溜まっていないとすれば、生理は始まりません。 血がたりない人は、子宮に血が溜まるまでに、どうしても時間がかかりますので、 生理が遅れていくのです(借金の返済が、お金がないため、延び延びになっていくのと同じこと)。 この血の不足とは、貧血気味で(検査の数値に異常がないとしても)、冷え性で、 めまいがする、あるいは、髪の毛が抜けやすく、また、ツヤもなくさらに疲れやすく、 生理の後からだがだるかったり、お腹がシクシクと痛くなる、といった症状のことです。 また、水の少ない川はよどんで、流れも悪くなるように、血がどうしても流れにくくなり、 ドロドロとしてきます。これを漢方(中医学)では「於血(おけつ)」と呼んでいます。 生理のとき、ピンク色の血の他に、ドロッとした血の固まりは出ませんでしょうか。 それが於血なのです。ドロドロの血、於血は脈管の中にへばりつき、血圧をあげていきます。

相談者の場合、まず、血を増やすということと、於血をとり除くことの二つを考えなければなりません。 血を増やす漢方薬としては、当帰(とうき)という、補血(ほけつ)の働きの優れた生薬の処方された、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、または、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)を使ったらどうでしょうか。 婦宝当帰膠には、当帰のほかに、阿膠(あきょう)が配合されていますので、生理後も出血が続いている場合にもよいと思います。 於血をとり除くには、冠元顆粒(かんげんかりゅう)を使います。このクスリは、ドロドロの血液をサラサラにし、スムーズに全身を流れるようにするほか、血管をひろげて血圧を下げます。 また、処方中の丹参(たんじん)という生薬には、生理を整える作用もあるのです。この二つのクスリを併用してみられたら、どうでしょうか。

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